プロペラは、モーターを搭載したボートに欠かせない部品です。エンジンの回転力を推進力に変えるのがプロペラ。プロペラには、エンジンやボートに使用されるものなど、用途に応じて様々なモデルがあります。プロペラの選択次第で、ボートの性能と燃料消費を根本的に変えることができます。このガイドでは、プロペラを選ぶ際に役立つポイントをお伝えします。

プロペラは、モーターを搭載したボートに欠かせない部品です。エンジンの回転力を推進力に変えるのがプロペラ。プロペラには、エンジンやボートに使用されるものなど、用途に応じて様々なモデルがあります。プロペラの選択次第で、ボートの性能と燃料消費を根本的に変えることができます。このガイドでは、プロペラを選ぶ際に役立つポイントをお伝えします。
プロペラのピッチとは、プロペラが一回転して進む距離のことです。単位はインチです。ピッチが大きいほど、プロペラが1回転するたびに押し出される水の量が多くなります。ピッチが小さいプロペラは、より速い加速が可能となるため、例えば水上スキー用のモーターボートに向いています。一方でエネルギー消費量は多くなります。理想的なピッチは、エンジン全開時の回転数が推奨回転域に収まっている場合です。
ここで押さえておくポイントは、ピッチがエンジン回転数に影響を与えるということです。ピッチを上げるとエンジン回転数は減少し、ピッチを下げるとエンジン回転数は増大します。
プロペラと水面の間には、常に多少のスリップがあり(一般的には10~15%)、実際の移動距離は理論上の移動距離よりも短くなります。車のギアと同様に、ピッチはスピードを示します。
プロペラの大きさは「直径」と「ピッチ」の2つから選びます。直径とは、各羽根の先端をつなげて描く、架空の円の直径です。ハブの中心から羽根の先端までの距離を2倍することで算出できます。
直径が大きいほど、プロペラが押し出す水の量が多くなり、より大きな力を生み出すことができます。しかし、直径が大きいとエンジンへの負担も大きくなります。プロペラの直径は、アンチキャビテーションプレートの下にできるスペースの大きさにより決まります。
プロペラは羽根の数が少ないほど効率が良いとされています。 しかし、羽根の数が少ないと振動も大きくなります。 プレジャーボートでは33枚羽根のプロペラが最も一般的で、これはスムーズな性能、スピード、燃料消費量のバランスが最も良いです。 4枚羽根または5枚羽根のプロペラは加速に優れており、振動が少ないです。その一方で、最高速度と燃料消費量が損なわれます。
プロペラの各羽根には2つの面があり、水を掻いてボートを動かします。 プロペラが回転すると、羽根の後進面(背面)は低い圧力を発生させ、ボートを前方に引っ張ります。 一方、羽根の前進面(圧力面)は、回転することで高い圧力を生み出します。この圧力により、水の流れがプロペラから離れていきます。 水が後方に押し出されると、同じ力でボートが前方に押し出されます。 現在では、多くのプロペラの後縁部分が湾曲した形状(カップ)になっており、水への食い付きが良くなることで、ベンチレーションやスリップを軽減し、より速い加速を得られます。
プロペラの基本用語:
プロペラの素材としては、ステンレスとアルミニウムが一般的です。まれにブロンズや合金製のプロペラもあります。ステンレススチールはアルミニウムの5倍の強度があり、羽根を長持ちさせます。しかし、ステンレススチール製のプロペラは、アルミニウム製のものと比べ価格が2〜3倍高いです。また、その強度においては、プロペラで回避した損傷がエンジンの他の部分にも影響を及ぼすことを意味します。一方安価なアルミ製プロペラは、衝撃を受けたときに避雷針のような役割を果たします。アルミプロペラは、特に低出力のエンジン(約100馬力まで)に適していますが、150馬力以上の場合は、ステンレス製のプロペラが推奨されます。
プロペラの種類は用途により異なります。水上スキーなどの牽引式ウォータースポーツを行うには、優れた加速と高い最高速度を出せるボートに適応するプロペラが必要です。また、釣りや遊覧には、低速航行ができるボートに適したプロペラが必要です。
プロペラは、エンジンメーカーの仕様に合わせる必要があります。各エンジンは、特定の速度で最適に動作するように設計されています。この情報は、エンジンの取扱説明書に記載されています。